【おせち料理はおもてなしの原点】基本のだしをとる

一年のはじまりにいただくおせち料理
一品一品思いを込めながらつくる、おせち料理はおもてなしの原点だと改めて感じます。
そして基本である「だし」を丁寧にとることが、すべての始まりです。
基本の「だし」で、おいしいおせち料理を作りませんが?

基本の「だし」と、「八方だし

日本料理への造詣が深い後藤加寿子さんの著書「後藤加寿子のおせち料理」の冒頭には、
このようなことが書かれています。

おせち料理の中で、大きな比重を占めるのは煮物類です。
蓮根、金時にんじん、えび芋、しいたけ……。
それらを一つ一つおいしく仕上げようと思えば、なんといってもまず、
心を込めてだしをとり、そのだしのうまみをゆっくり含ませる、
という気持ちで煮ることが大切です。
お正月迎えの準備はおだしをひくことから、といっても過言ではありません。

また、野菜の煮物には、あらかじめたっぷり八方だしを作っておき、
それを適量ずつ取り分け、野菜を一種類ずつ煮ていくことが合理的です。
八方だしの作り方は、鍋に酒とみりんを合わせて加熱し、アルコール分を飛ばし、
だしを加えます。
煮物のほかにも、そばつゆなどあらゆる用途に(八方に)使えることからの名前です。

基本のだしのとり方
【材料(1.5リットル分)】

  • 昆布 30g
  • 削りがつお(血合い抜き)30g

【つくり方】

  1. 昆布はぬらしたペーパータオルで汚れをさっと拭き、水1.8リットルとともに鍋に入れて
    一晩(約8時間)おく
  2. 1の鍋をそのまま中火にかけ、あくが浮いてきたら取る
    昆布の周囲にぷつぷつと泡がついてきたら引き上げる
  3. そのまま沸騰直前まで温め、削りがつおをほぐしながら加える
  4. 手早く菜箸で混ぜ、再びぐらっと沸いたら火を止め、不織布のペーパータオルを敷いたステンレスのこし器で一気にこす

八方だし
「だし、みりん、酒の割合は、8:1:1と覚えて」

【材料(5カップ分)】

  • だし 4カップ
  • みりん 1/2カップ
  • 酒 1/2カップ

【つくり方】

  1. 鍋にみりんと酒を入れて強火にかけ、竹串にガスの火をつけて鍋の内側に入れて、引火したら火を止める
  2. 炎がおさまるまでそのままおき、アルコール分が飛んだらだしを加える

お正月に欠かせないお雑煮もこのだしがあればおいしく出来上がることでしょう。
また、お正月にかかわらず、だしは普段の料理の基本となるものです。

まとめ

今回は、おせち料理作りに大切な基本のだしについてでした。
「一年の計は元旦にあり」
この気持ちを忘れずに、一年豊かに過ごせるよう丁寧にだしをとってみてはいかがでしょうか。

後藤加寿子のおせち料理

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