【簡単に作れて日持ちする】地味だけどおいしい佃煮の魅力

佃煮(つくだに)と聞いて思いつくものは何でしょうか?
おにぎりの具材として定番の昆布の佃煮や、ごはんにのせて食べる海苔の佃煮
春が旬のフキアサリも佃煮にするとおいしいです。
自宅で作るイメージがあまりないかもしれませんが、砂糖醤油で甘辛く煮詰めれば簡単にできます。
ちょっと湿気ってしまった海苔も佃煮にすれば、見違えるほどおいしく生まれ変わります。

佃煮の発祥は東京「佃島

佃煮は、現在の東京都中央区にある佃島(つくだじま)が発祥の地です。
江戸時代、佃島に住む人々の多くは漁師で、東京湾で漁業を営んで生活をしていました。
そんな漁師たちの保存食として生まれたのが佃煮。
佃島は、隅田川に隔たれた離れ小島。
シケの日は漁に出ることができず、また、船を出せないため江戸に食料を買いに行くこともできないため、
自分たちでとった魚介類を使用して保存食を作ることに。
こうして作られるようになったのが佃煮のはじまりです。
今でも、佃島の界隈には佃煮屋の老舗が残っています。

日本料理店「てのしま」店主 林亮平さんのアサリの佃煮

東京青山の日本料理店「てのしま」店主の林亮平さん。
テレビや新聞などでも家庭で作れる料理を紹介されています。
先日、NHKの「趣味どきっ! シェフの休日」という番組に出演されていました。
休日はご自身で行きつけの青山の青果店へ出向き、ご自宅で料理をされるのだそうです。

そんな林さんが「きょうの料理」で紹介されていたアサリの佃煮は、ショウガの効いたお酒にも合う一品です。
林さんの佃煮は、醤油と砂糖の割合が2:1。

アサリの佃煮

【材料】(つくりやすい分量)

  • アサリ(砂抜きしたもの) (大)1kg(ゆでて殻を除き190g)
  • しょうが(みじん切り) 20g
  • A
    酒・水 各カップ1と1/2
  • B
    砂糖 15g
    しょうゆ 30g(大さじ1と2/3)

【つくり方】

  1. アサリは鍋に入れて水カップ2を加え、落し蓋をして強火にかけます
    アサリの口が開いたらざるに上げて粗熱を取り、殻から身を外します
  2. 鍋に1.のむき身としょうが、Aの酒・水を入れ、落し蓋をして強火にかけます
    煮立ってから5分間ほど煮て汁気が半分ほどになったら、Bの砂糖・しょうゆを順に加え、1分間ほど煮ます
  3. 火から下ろして落し蓋を取り、完全に冷まします
  4. 再び落とし蓋をして強火にかけ、時々混ぜながら7~8分間煮ます
    汁気が少なくなったら落し蓋を外し、みりん小さじ2を加え、軽く混ぜながらしっかりと煮詰めます
    火から下ろして冷まします

※保存:冷蔵庫で約10日間

料理研究家の藤井恵さんの海苔の佃煮

キューピー3分クッキングの講師を18年間務めた料理研究家の藤井恵さん。
番組では、18年間のあいだに約1400のレシピを紹介されたのだそうです。
藤井さんの料理で特に印象に残っているレシピのひとつが海苔の佃煮
ちょっと湿気った海苔も捨てずに佃煮にすれば、立派なごはんのおともになります。

海苔の佃煮

【材料】 (作りやすい分量)

  • 焼きのり(全形) 10枚
  • だし汁 1+1/2カップ
  • しょうゆ 大さじ3
  • 酒 大さじ2
  • みりん 大さじ1
  • おろしわさび 大さじ1
  • 炒り白ごま(または炒り金ごま) 大さじ3

【つくり方】

  1. 炒り白ごまはさっと炒り直し、包丁で刻む
  2. 鍋にだし汁を入れ、焼きのりをちぎって加えて混ぜ、10分ほどおいてやわらかくなるまでふやかす
  3. 2.の鍋を中火にかけ、ときどき混ぜながら2分ほど煮る。しょうゆ、酒、みりんを加え、さらにとろりとするまで20分ほど煮る(鍋底をヘラでこそげたとき、跡がついてゆっくりと閉じる状態)
  4. 3.が冷めたら、わさび、1.のごまを加えて混ぜる

※保存:冷蔵庫で1週間は日持ちする。それ以上おきたいときは冷凍も可能

まとめ

江戸時代に東京の佃島で生まれた佃煮
保存食として、漁師たちのあいだで作られるようになりました。
砂糖と醤油で甘辛く煮詰めた佃煮は、ごはんとの相性が良く、お酒のおつまみにもぴったりです。
保存も効くので、作り置きしておけば便利な常備菜になります。

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