【選択肢が多いと選べなくなる?】ジャムの実験からわかること
日々、私たちは多くの選択をしています。
朝起きて、服を選んだり、コンビニで飲み物を選んだり。
この「選択」を研究するコロンビア大学ビジネススクールのシーナ・アイエンガー教授は、
人は選択肢が多いと選べなくなってしまうといいます。
そこで、アイエンガー教授が提案する選択しやすくする4つの方法をご紹介します。
目次
シーナ・アイエンガー教授の「ジャムの実験」
高級スーパー「ドレーガーズ」の店内を歩くと、15種類のミネラルウォーター、250種類以上のチーズ、300種類のジャム、500種類の農産物が揃っています。
このスーパーは圧巻の品揃えで注目を集めていましたが、売上には結びついていなかったのです。
そこでアイエンガー教授は店内でジャムの実験をしました。
試食コーナーに、24種類のジャム、別の日に6種類のジャムを並べ、どちらがどれだけ試食して、購入につながるのかを実験しました。
試食の種類が少ないほうが売れ行きはよかった
その結果、24種類のときは買い物客の60%が試食に立ち寄り、6種類のときは40%しか訪れないことが判明しました。
ところが、24種類の試食の場合、実際にジャムを購入したのは試食客のわずか3%にすぎなかったのに対して、
6種類の試食に立ち寄った客のうち、ジャムを購入したのは30%にものぼったという結果が出たのです。
試食の種類が多いほうが、立ち止まって試食する人の数は多かったけれど、試食の種類が少ないほうが、売れ行きはよかったのです。
選択肢の多さがもたらす弊害
選ばないことで自分が不利になるのに、なぜ選ばないことを選んでしまうのでしょうか。
アイエンガー教授は選択肢が多くて選べなくなることの弊害を以下3つあげています。
- 決断が遅れる、先延ばしにする
- 誤った決断をしやすい
- 自分の決断に満足できない(客観的によい決断であっても)
弊害をもたらす理由
膨大な選択肢は、ながめて楽しむ分にはよいが、違いを正確に把握して、比較、対照することは非常に困難です。
結局は、あてずっぽうにえいっと1つを掴むのと同じことなのです。
選択しやすくする4つの方法
そこで、アイエンガー教授は選択しやすくする4つの方法を提案されています。
- カットする(絞り込む)
- 具体的な結果のイメージを付け加える
- 選択する人にとって意味のあるカテゴリーに分類する
- 選択の順序(簡単な選択から始め、次第に複雑な選択に)
カットする(絞り込む)
無意味に重複した選択肢をカットしてなくす覚悟があれば、売上高が増加しコストが低下することです。
選択の体験が向上するのです。
徹底的に絞り込むことが大切なのです。
具体的な結果のイメージを付け加える
写真などでリアルなイメージを表現したり、これを選べばどのような結果が得られるのかを具体的に付け加えることで、
選択される確率が上がるといいます。
選択する人にとって意味のあるカテゴリーに分類する
書店の雑誌のコーナーで、600種類の雑誌を 10個のカテゴリに分けて見せるのと、
400種類の雑誌を 20個のカテゴリに分けて見せるのでは、
400種類の方が 600種類の時より選択肢が多くて買い物しやすいと人は思うのです。
選択の順序(簡単な選択から始め、次第に複雑な選択に)
同じ情報で選択肢の数が同じだったとしても、小数から多数の選択肢の順序だと、人は頑張って選択します。
簡単なことから始めてもらうと、選択の仕方を学び、わくわくしながら積極的に選択することができるようになるのです。
まとめ
日々のたくさんの選択をできるだけ負担や弊害をおさえるために、
カットする(絞り込む)、具体化する、分類する、選択の順序を変えて慣れさせるという、
4つの方法を参考にし、選択の仕方を選択しくことが大切です。
そして少しでも選択疲れをなくして、ストレスのない生活を送りたいものです。
ソースノート
TED シーナ・アイエンガー:選択をしやすくするには著者:シーナ・アイエンガー