【スパイシー&マイルド】モロッコのタジン鍋
モロッコ料理といえば、円錐形の三角の蓋が特徴のタジン鍋。
モロッコの家庭には必ずある調理器具なのだそうです。
これを使って作った料理のことを「タジン」と呼びます。
今回は、そんなモロッコの伝統料理タジンがテーマです。
目次
タジンのスパイス使いは食材の味を引き立たせるための脇役
タジン鍋は土鍋の一種で、熱がゆっくりと素材に伝わることで素材の旨みや甘みを十分に引き出すことができます。
旬の野菜やその土地でとれる食材を使用し、スパイスやハーブで色と香りづけをします。
タジンは食材の旨味をどこまで引き出せるかで、仕上がりの美味しさが決まります。
スパイスはそのための脇役、ハーブは演出家なのだそうです。
タジンに使われる主なスパイス
モロッコの市場では、スパイスが量り売りされていて、どの家庭にも決まったスパイスが常備されているのだそうです。
タジンに使用される主なスパイスは以下のとおりです。
- パプリカ:唐辛子に似た風味だが、辛みは少ない。油となじむと色がつきやすくなる性質がある。
- サフラン:サフランの花のめしべの部分をスパイスとして使う。黄色く色づけ、香りよく仕上げるときに使う。
- シナモン:独特の甘みがあり、お菓子類や甘めの味付けの料理によく使われる。
- ジンジャーパウダー:日本ではなじみの少ないしょうがパウダー。手軽にしょうがの辛味と香りを足すことができる。粉末状のため、しっかり溶けて料理全体に味がなじむ。
- ブラックペッパー:肉、魚料理などにピリッとした辛みを加える。ほかのスパイスと一緒のタイミングで加えたり、仕上げに塩と加えて味を調える。
- ターメリック:日本ではウコンと呼ばれる。サフランと同様に黄色く色づけるときに使う。
- クミン:ほのかな辛みと強い香りが特徴的で、コリアンダーとの相性がよい。野菜、魚介、肉類いずれにもよくあう。
- 唐辛子パウダー:唐辛子の粉末。辛味と足すときに少量加える。粉末状なので、料理全体に辛味が行き届く。
引用元:家庭で楽しむモロッコ料理(著者:小川歩美)より
スパイスを使用することから、辛い料理なのではと思われがちですが、タジンは食材の持ち味を生かす調理法で、スパイスはあくまでも脇役。
スパイスで味をつけるというよりは、食材の味を引き立てる役目なのです。
東京・東北沢にあるモロッコ料理店「エンリケ・マルエコス」
オーナーの小川歩美さんは、はじめてのモロッコ旅行で食べたタジンの味があまりに美味しくて忘れられなかったのだそうです。
そして、2004年より5年間モロッコに住みモロッコ料理の修業、レストランの厨房を経て、
モロッコ人料理家choumichaのアシスタントとしてよりモロッコ料理を掘り下げ帰国。
2009年にモロッコ料理店「エンリケ・マルエコス」を東京・東北沢にオープンされました。
小川さんのモロッコ愛でいっぱいの素敵なお店です。
「エンリケ・マルエコス」オーナー小川歩美さんの著書
小川さんのモロッコ愛がたくさん詰まった著書がこちら。
著者:小川歩美
タジンだけではなく、クスクスやミントティー、レモンコンフィのレシピまで、
モロッコの文化を知ることができる一冊です。
まとめ
今回は、モロッコ料理のタジンをご紹介しました。
食材の味を引き出すために使用されるスパイス。
このスパイス使いをぜひマスターしてみてはいかがでしょうか?