【鉄道王 根津嘉一郎が残した逸品】「根津美術館の国宝・重要文化財」展

東京・港区にある根津美術館の創立80周年を記念して開催中の、「根津美術館の国宝・重要文化財」展
実業家・初代根津嘉一郎(1860~1940)が蒐集した日本・東洋の古美術品の中でも、
国宝7件、重要文化財88件の計95件すべてが披露される特別な展覧会です。
今回のテーマは、「根津美術館の国宝・重要文化財」展です。

実業家であり、茶人としても活動した初代根津嘉一郎

明治維新で旧来の秩序が崩れると、古美術品は海外流出の危機に直面しました。
そんな中、鉄道王と呼ばれた初代根津嘉一郎ら、同代の実業家たちは、私財を投じて流出を防いだのです。
山梨の豪商の家に生まれた嘉一郎は、東武鉄道を始め数多くの企業を再建する一方で、茶人としても活動した人物。
自らの好みだけでなく、後世に伝えるために集めた作品も数多くあります。

根津美術館といえば国宝 「燕子花図屏風」

6曲1双の屏風からなる 国宝 「燕子花図屏風」

総金地の六曲一双屏風に、濃淡の群青と緑青によって鮮烈に描きだされた燕子花の群生。
その背後には『伊勢物語』第9段の東下り、燕子花の名所・八つ橋で詠じられた和歌がある。
左右隻の対照も計算しつつ、リズミカルに配置された燕子花は、一部に型紙が反復して利用されるなど、
一見、意匠性が際立つが、顔料の特性をいかした花弁のふっくらとした表現もみごとである。
筆者の尾形光琳(1658〜1716)は京都の高級呉服商に生まれ、俵屋宗達に私淑した。
本作品は、江戸時代のみならず、日本の絵画史全体を代表する作品といって過言ではない。

引用元:根津美術館のホームページより

初めて実物を鑑賞し、改めてダイナミックな構図、押し迫ってくるような立体感、
金色の屏風に描かれた燕子花の深い青の群生に圧倒されました。

ほかにも、「大日如来像」「那智瀧図」など、見どころがたくさん。

根津美術館
所在地:東京都港区南青山6-5-1
開館時間:午前10時~午後5時(入館は4時30分まで)
     展示室 / ミュージアムショップ /庭園 / NEZUCAFÉ
休館日:月曜日・展示替期間・年末年始
    ただし月曜日が祝日の場合、翌火曜日

※現在チケットは、ホームページからの事前予約制です。
 また、期間中に作品の入れ替えもありますので、ホームページでご確認ください。

まとめ
今回は、2020年11月14日(土)〜12月20日(日)の期間に開催中の、
根津美術館の国宝・重要文化財」展がテーマでした。
素晴らしい作品を後世に残してくださった初代根津嘉一郎氏に感謝の意を表しながら、
鑑賞されてみてはいかがでしょうか。