【ヌーベルバーグ:ジャン=リュック・ゴダール監督のミューズ】女優アンナ・カリーナ
ヌーベルバーグを代表する女優、アンナ・カリーナ。
2019年12月にがんのため79歳で亡くなりました。
ジャン=リュック・ゴダール監督のミューズとして、数々の映画に出演しました。
目次
ヌーベルバーグとは?
1950年代後半のフランスで始まった若手の映画監督たちによる、自由奔放な映画作りの動きで、
ヌーベルバーグとは、“新しい波”を意味します。
彼らは、古い道徳観や硬直化した撮影所システムにとらわれない実作活動に着手しました。
代表的な作品としては、ロケ撮影によるリアルな映像で描いたルイ・マル監督のサスペンス映画「死刑台のエレベーター」(1957年)、
ジャン=リュック・ゴダール監督の「勝手にしやがれ」(1957年)、
フランソワ・トリュフォー監督の「大人は判ってくれない」などがあげられます。
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女優アンナ・カリーナ
2019年12月にがんのため亡くなったアンナ・カリーナは、フランスのヌーベルバーグを代表する伝説的な女優です。
1940年にデンマークのコペンハーゲンで生まれ、17歳でパリにたどり着いた1人の少女。
ココ・シャネルと出会い、シャネルは彼女をアンナ・カリーナと命名しました。
人気モデルとなった彼女は、ジャン=リュック・ゴダールに見初められ、
『女は女である』(61)や『女と男のいる舗道』(62)『気狂いピエロ』(65)など、数々のゴダール作品に出演し、
女優としてヌーベルバーグのアイコン的存在となりました。
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女と男のいる舗道
『女は女である』に続くゴダールの長編4作目である『女と男のいる舗道』。
女優を夢見ながらレコード店で働く一人の女性が、やがて娼婦に身をやつしていくという悲劇です。
映画の中で、アンナ演じる主人公のナナが、友人のイヴェットに向けて語るとても印象的なシーンがあります。
私はすべてに責任があると思う
自由だから手をあげるのも私の責任
右を向くのも私の責任
不幸になるのも私の責任
タバコを吸うのも私の責任
目をつぶるのも私の責任
責任を忘れるのも私の責任逃げたいのもそうだと思う
すべてが素敵なのよあるがままに見ればいいのよ
顔は顔
お皿はお皿
人間は人間
人生は人生引用:映画『女と男のいる舗道』より
日々いろいろなことがあるたびにこのセリフを思い出します。
そして自分のまわりで起こるすべてのことに対して、
自分にも多かれ少なかれ責任があると思うことで、
ものごとを自分ごとで考えられるような気がします。
監督:ジャン=リュック・ゴダール
プロデューサー:ピエール・ブロンベルジェ
脚本:ジャン=リュック・ゴダール
音楽:ミシェル・ルグラン
出演者:アンナ・カリーナ 、サディー・レボー 、ブリス・パラン、アンドレ・ラバルト 、ギレーヌ・シュランベルジェ
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まとめ
ヌーベルバーグを代表する女優、アンナ・カリーナ。
はじめて『女は女である』を観たときは、彼女のチャーミングさに釘付けになりました。
今回ご紹介した『女と男のいる舗道』は、前作とはがらっと雰囲気は変わって悲劇なのですが、
何度見ても、彼女の仕草やセリフ、すべてに圧倒されます。
時代を経てもなお、色褪せないヌーベルバーグ作品の中でも、おすすめの映画。
年末年始に鑑賞してはいかがでしょうか。