【キャズムを超えられるのか】音声メディア「Clubhouse」
話題の音声メディア「Clubhouse(クラブハウス)」。
現在は主に芸能人や著名人、インフルエンサーが利用しています。
マーケティングにおけるイノベーター理論では、「アーリーアダプター」が利用している段階です。
スマートフォンのように多くの人に利用される段階に進むには、「キャズム」とよばれる大きな溝を超える必要があります。
「Clubhouse」はキャズムを超えられるのでしょうか。
目次
キャズムとは
イノベーター理論では、下図のように普及の過程を5つの層に分類します。
横軸は市場の成長に伴う時間的経過、縦軸はその製品やサービスを利用・購入する人の数を表しています。
イノベーターとアーリーアダプターを初期市場、アーリーマジョリティーからラガードをメインストリーム市場と呼びます。
初期市場とメインストリーム市場の間にある深い溝のことを「キャズム」といいます。
そして、この溝を超えることが市場開拓において重要だとされています。
キャズムが生まれる原因
なぜキャズムが発生するのかは、初期市場とメインストリーム市場の2つの市場の消費者の価値観の違いにあります。
初期市場の消費者は新しいことに価値を感じ、製品やサービスを利用・購入する傾向にありますが、メインストリーム市場のユーザーはそうとは限りません。
誰かがお墨付きを与えている、商品のクオリティが安定している、費用対効果が高い、周囲の人々が使っているなど、安心して利用・購入できる理由が必要になります。
初期市場はイノベーターとアーリーアダプターを足しても約16%しかなく、市場の84%はメインストリーム市場です。
新しいものを積極的に利用・購入するイノベーターと、保守的で伝統的なラガードでは価値観が違うので、段階毎にその層に適したアプローチを行う必要があります。
「Clubhouse」は、まさに今、「アーリーアダプター」が利用している段階にあります。(2021年2月現在)
そして、メインストリーム市場のユーザーに受け入れられるには、この大きな溝を超えなくてはなりません。
キャズムを超えるのは難しい
いろいろ考えると「Clubhouse」がキャズムを超えるのは難しいのではないでしょうか。
「Clubhouse」の主な特徴は以下です。
- 完全招待制
- 匿名可
- 生配信のみ
- 複数人でしゃべることのみ(コメントなどの機能はない)
- コンテンツの保存ができない
- iOSデバイス専用
完全招待制、匿名可というのは問題はありません。
84%を占めるメインストリーム市場のユーザーは、「Clubhouse」において、
自分から「ルーム」を作成して、積極的に会話をするというよりは、傍聴する側に立つ人が多いのではないかと予想します。
生配信のみの場合、時間を無駄にしてしまうというデメリットがあります。
コンテンツの保存ができないため、後で聞くということもできず、聞きたいところだけ聞くこともできません。
さらに、iOSデバイス専用ということで使用できる人が限られるということもデメリットになります。
一方で、メリットもあります。
芸能人や著名人、インフルエンサーの普段聞けないようなおしゃべりが聞けたり、
そういった人たちの会話に参加する機会もあり、つながりをもてることは、「Clubhouse」ならではなのではないでしょうか。
まとめ
話題の音声メディア「Clubhouse」は、キャズム(大きな溝)を超えて大きな市場に支持されるのでしょうか。
ネガティブな意見を書いてしまいましたが、今後の動向が楽しみです。
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