【ずるい考え?】ラテラルシンキング
ラテラルシンキングということばを耳にしたことはあるでしょうか?
ひとことでいうと、どんな前提条件にも支配されない自由な思考法です。
先日の記事に投稿した「オズボーンのチェックリスト」もラテラルシンキングのひとつです。
今回は、論理的に考えるロジカルシンキングに対し、視野を広げて多角的に考えるラテラルシンキングがテーマです。
目次
ラテラルシンキングとは?
物事を順番に積み上げながら、筋道立てて正解を導いていく考え方をロジカルシンキングといいます。
それに対して、解決策を導くための順番や過程はあまり関係なく、視野を広げて多角的で自由な思考法がラテラルシンキング。
木村尚義さんの著書「ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門」を読み解きながら、ラテラルシンキングを紹介します。
ラテラルシンキングに必要な3つの力
ラテラルシンキングに必要な「環境」をつくるためには、次の3つの能力が欠かせません。
- 疑う力
- 抽象化する力
- セレンディピティ
疑う力〜固定観念を打ち破る〜
固定観念にとらわれると、自由に発想できなくなり思考停止を引き起こしてしまいます。
「〜であるべき」「〜になるはず」など、常識や先入観、思い込みがあると、ありきたりは発想法しか浮かばなくなります。
そういった固定観念をとりはらうには、あらゆることを「疑ってみる」ことです。
相手を疑うのではなく、指示された前提を疑ってみる。
この習慣を身につけることで、固定観念の鎖が破壊され、自由な発想を手に入れることができるのです。
抽象化する力〜物事の本質を見抜く〜
抽象化とは、物事の「本質」や「機能」に注目することです。
すでに存在するものを別のもので代用できないかと考えてみることは、発想を広げるうえで大変効果的です。
抽象化は次のような3ステップで考えます。
対象の特定→抽象化→具体化
例えば、
馬車(対象の特定)→速く移動するもの(抽象化)→自動車(具体化)
ここでオズボーンのチェックリストなどを参考に、多角的に自由に発想していくことができれば、よいアイデアがひらめくかもしれません。
馬車の本来の「本質」や「機能」は、「速く移動するもの」です。
もっと速く移動できるものはないかと考え、具体化したのが自動車です。
セレンディピティ〜偶然の発見を見逃さない〜
セレンディピティとは、何かを探しているときに、それとは別の価値あるものを偶然見つける力のようなもの。
著者は、「偶然を偶然として無視しない力」「偶然を何かに関連づける力」といっています。
偶然が起きたとき、それを何かに応用できないかと、常に感性のレーダーを研ぎ澄ませていることが大切だと著者はいいます。
ここでセレンディピティの事例をひとつご紹介します。
失敗から生まれたケーキ「タルトタタン」
タルトタタンの発祥は19世紀のフランス。
ホテル・タタンを営むステファニーとカロリーヌ姉妹は、併設するレストランで料理も作っていました。
ある日、姉のステファニーがデザートのりんごのケーキを作っていたところ、型にタルト生地を敷くことを忘れてしまい、りんごだけを焼いてしまったのです。
それを見た妹のカロリーヌが機転を利かせ、とっさにパイ生地をかぶせ、オーブンに入れて焼き上げました。
そして、型に皿をかぶせ、ひっくり返してみました。
食べてみると、りんごのとろっとした食感と表面のちょっと焦げかかったところがなんともいえないおいしさだったのです。
さっそくレストランで出してみると、その甘くて香ばしい新しいりんごのタルトは大評判。
名前も「タルト・タタン」と名付けられたのです。
これは、妹のカロリーヌが偶然の発見を見逃さず、応用させたから生まれたケーキです。
まさに、セレンディピティですね。
13個のオレンジを3人で分けるには?
「ずるい考え方」の冒頭ではこのような課題が出されます。
13個のオレンジを3人で分けるには?
その解決策としては、
- 4個ずつ分けて余った1個を3等分する
- はかりを使って同じ重量ずつ分配する
- ジュースにして分ける
- オレンジの種を植える
1.と2.はロジカルシンキングの発想です。
「公平に分ける」という目的に向かって、その方法を論理的に掘り下げているからです。
3.と4.は、ラテラルシンキングの発想です。
「前提」や「常識」を乗り越えて、自由に発想するとこんなアイデアが生まれてくるのです。
著書ではこの他にも、以下の発想でビジネスで成功した事例が紹介されています。
- 最小の力で最大の効果を出す
- 相手の力を利用する
- 異質なもの同士を組み合わせる
- 先の先を読む
- ムダなものを捨てない
- マイナスをプラスに変える
まとめ
固定観念にとらわれず、自由な発想でものごとを解決していくラテラルシンキング。
ますます多様化していく人生100年時代に向けて、日頃から柔軟に考えるクセをつけておきたいですね。
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