【かぼちゃを塩で煮る】画家 牧野伊三夫さんのエッセイ

先日、料理家の上田淳子さんの「おいしくなって保存もきく!塩糖水漬けレシピ」の本をご紹介しましたが、挿絵を担当されたのが牧野伊三夫(まきの いさお)さん。
その挿絵があんまり可愛らしかったので、どんな方なのだろうとずっと気になっていました。
そして見つけたのが牧野さんの著書「かぼちゃを塩で煮る」。
牧野さんは、画家として活動する傍ら、食にまつわるエッセイも出版されています。

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エッセイ「かぼちゃを塩で煮る」

2016年に出版された牧野さんの著書「かぼちゃを塩で煮る」。
新聞「新潟日報」に掲載されたコラムを一冊にまとめ、過失修正された本です。
表紙のかぼちゃの画が魅力的です。
かぼちゃは甘く煮るというイメージがあるので、このタイトルにもそそられます。

かぼちゃを塩だけで煮たらどんな味なんだろう

想像力がふくらみます。

幼少時代から料理好きだった牧野さん

小さい頃から食いしん坊で好奇心旺盛だった牧野さん。
北九州の小倉で育った牧野さんは、ご両親が共働きだったこともあり、自分で食事を作って食べることが多かったそうです。
得意料理は醤油味のスクランブルエッグ。
おやつにハウス食品のインスタントプリンやゼリーもよく作ったのだとか。

その後、美術学校(多摩美術大学)に通うために上京して、一人暮らしを初めてからも、ますます料理の腕を上げていく牧野少年。
卒業後は、広告制作会社に就職し、20代後半で退職。
フリーランスの画家として独立されました。

お金がない中でも、人を招いて料理でもてなしたり、食への探究心はつきなかった牧野さん。
お酒も大好きで、カンパリやシェリーなどの食前酒からはじまり、前菜、肉や魚料理、デザート、食後酒までのコース料理で客をもてなしました。
そうこうするうちに、すっかり料理にのめり込んでしまい、一日中絵も描かずに料理をしていることもよくあったのだそうです。

なんだかとても共感してしまうエピソードです。

かぼちゃの塩煮

牧野さんは、子供の頃は砂糖醤油で甘辛く煮たかぼちゃが苦手でした。
天ぷらやパンプキンパイは食べたけれど、煮たかぼちゃはずっと敬遠されていました。
ところがある日、八百屋へ行くと、小ぶりで実においしそうな濃い黄色をしたかぼちゃが目に止まったのだとか。

レジ係のおばさんから
塩だけで煮てご覧なさい。おいしいわよ
と言われ、言われた通りに塩だけで煮てみることに。

これが実に美味しかったのだそうです。
種をとって一口大に切ったかぼちゃを、厚い皮の方を下に鍋底に並べ、ひたひたの水に入れる。
適当に塩をふり、落し蓋をして弱火で煮たらでき上がり。
とても簡単ですが、ひとつだけ気をつけなければならないことがあるのだとか。

煮て水分がなくなったところで、
落し蓋ととってうんと火を小さくして、
煮きり終わっるのを耳と鼻を使って見極めなくてはならない。
煮汁のグツグツしていた音が、水分が蒸発してチリチリ、パチパチという乾いた音に変わり、
ほんのり香ばしいにおいがしてくるまで静かに待ち、
そこで火を止める。
時間にして1、2分くらいだろうか。
グツグツのところで火を止めてしまうとべちょべちょした水っぽい仕上がりになる。
ほくほくに仕上げるためには、最後のここが大切だ。
このときは決して鍋から離れたり、別のことを考えたりしてはならない。
ついでながら、ポテトサラダのじゃがいもをゆでるときも同様である。

読んでいて、作らずにはいられなくなってしまいました。
さっそくかぼちゃを買って作ってみようと思います。

引用元
かぼちゃを塩で煮る
著者:牧野伊三夫

まとめ

画家としてご活躍されている牧野伊三夫さん。
料理好きが高じて、コラムも多数書かれています。
著書「かぼちゃを塩で煮る」は、牧野さんの食やお酒への愛がたくさんつまった一冊。
紹介されているレシピも、どれもおいしそうなのに簡単にできそうなものばかり。
お酒好き、食いしん坊の方にはおすすめの一冊です。