【豪華絢爛】MOA美術館の黄金の茶室

桃山時代に豊臣秀吉が作らせたといわれる「黄金の茶室」。
熱海にあるMOA美術館でその復元された黄金の茶室に出会うことができます。

組立式の黄金の茶室

黄金の茶室は、天正14年(1586)正月、豊臣秀吉が時の天皇、正親町天皇(おおぎまちてんのう)に茶を献じるために作られた茶室です。
畳と障子は赤、壁と天井は金色の他、柱・障子の腰など随所に黄金が施された三畳の茶室で、
なんと解体して持ち運びできるという可動式、組み立て式の茶室です。

天正15年10月1日に秀吉が京都北野天満宮で主催した大規模な茶会、北野大茶湯などでも披露されたことが記録には残っています。

黄金の世とも呼ばれた豪華絢爛さと、閑寂なわび・さびという対照的な諸相を見せる桃山時代の美意識を感じることができます。

MOA美術館の黄金の茶室は、公家、武将、茶人、外国の宣教師などが記した文献史料に基づき、
数奇屋建築の泰斗(たいと)堀口捨己(ほりぐちすてみ)博士の監修のもと復元されました。

千利休が制作に関わった?

秀吉の信任厚く、茶聖とも称せられた千利休が制作に関わった明確な史料はありません。
豪華絢爛さが、わび茶とはかけ離れていますが、利休が茶の湯の根本とした草庵と呼べる三畳の間があることから、
状況からして利休が関わっていないはずがないと考えられています。

その後、天正13年(1585年)秀吉に切腹を命じられる利休。
利休が制作に関わっていたとすれば、複雑な心境がうかがえます。

海が一望できるMOA美術館

黄金の茶室のあるMOA美術館相模灘を見渡す静岡県熱海市の高台に建つ海の見える美術館
メインロビーからは、初島や伊豆大島、房総半島から三浦半島、伊豆半島まで180度の大パノラマを眺望できます。
昭和57年、岡田茂吉(おかだもきち、1882年 – 1955年)氏により創設され、岡田氏のコレクションを基盤に、
現在は国宝3点重要文化財67点(2019年現在)、重要美術品46点を含む約3500点を所蔵しています。
展示内容は、絵画・書跡・工芸・彫刻等、日本・中国をはじめ東洋美術の各分野にわたり、
美術的にも、研究的にも大きな魅力と価値のある作品によって構成されています。

MOA美術館
所在地:静岡県熱海市桃山町26-2
開館時間: 9:30 – 16:30 (最終入館は16:00まで)
休館日: 木曜日(祝休日の場合は開館)・展示替え日

まとめ

今回は、豪華絢爛な黄金の茶室と、MOA美術館がテーマでした。
海を一望できる美術館で、アートにひたってみてはいかがでしょうか。