【謹賀新年】2021年のおせち

明けましておめでとうございます。
2021年の年明けはいかがお過ごしでしょうか。
健やかに心豊かな一年になりますように。
2021年のおせちをご紹介します。

2日間で作るおせち料理

おせち料理は段取りが大切と言われますが、しっかりスケジュールを立てれば年末の2日間で作ることができます。
私は毎年29日、30日の2日間に集中して作ります。
盛り付けは元旦の朝に仕上げます。
色合いなど考えながら臨機応変に詰めていくのもライブ感があって楽しいものです。

本来は、一つのお重に奇数品(3、5、7、9)を詰めるのが縁起が良いと言われていますが、
見栄えやバランス重視で自由に盛り付けしました。


一の重(左上)、二の重(右上)、三の重(下)

一の重(祝い肴三種、栗きんとん)

一の重は祝い肴三種をメインに栗きんとんを加えて彩りよく盛り付けました。
お正月の縁起木である「千両」を添えて華やかに。
おせち料理のなかで、いちばん手をかけるのが黒豆。
どの黒豆でもおいしくできますが、やはり丹波の黒豆は別格です。

一の重

  • 田作り:片口イワシを刻んだものを田んぼの肥料にしていたことから、豊作を願う
  • 数の子:数多くの卵が付いていることから、子孫繫栄や子宝を願う
  • 黒豆:まめに健康・丈夫に過ごせるように願う
  • 栗きんとん:「きんとん」を漢字にすると「金団」になることから、金銀財宝を連想させる
  • 千両:千両は江戸時代の通貨単位「両」が付いていることから、金運の願掛けして用いられる

二の重(伊達巻き、蒲鉾、クワイ、ゴボウ、菊花カブ)

二の重は、伊達巻きをメインに以下を詰めました。

二の重

  • 伊達巻き:伊達者から、洒落た・見栄えの良い・派手なという意味を持つ。巻物に似ていることから、学問成就や文化の繁栄を願う
  • 蒲鉾:半円形は、形が元旦の日の出に似ていることから非常におめでたい食材といわれ、赤は「魔除け」、白は「清浄」を表す縁起もの
  • クワイ:大きな芽が出ていることから、立身出世を願う
  • ゴボウ:土中にしっかり根を張ることから、家族の土台がしっかりすることや家業が土地に根付くことを願う
  • 菊花カブ:菊は国花であり、祝い事に欠かせない花であることから、繁栄や健康を願う。邪気払いや長寿を願う意味もある
  • ローストビーフ:ローストビーフそのものに縁起担ぎなどはないが、見た目の華やかさや特別感から取り入れられるようになった

三の重(エビイモ、手綱コンニャク、金時ニンジン、シイタケ、レンコン)

三の重は、煮しめをメインに酢蓮をちらして見栄えよく仕上げました。

    三の重

  • エビイモ:独特の栽培方法によって湾曲し、表面には横縞があるため、エビのように見えることから縁起物として用いられる
  • 手綱コンニャク:心を引き締めて養い、良縁・円満を願う意味が込められている
  • 金時ニンジン:「ン」の音を含む食材は、「運」が付くので 縁起がいい食材として用いられる
  • シイタケ(どんこ):高価で貴重なものだったため、お正月には神様へのお供え物として珍重されていた
  • レンコン(酢蓮):極楽浄土の池には蓮の花が咲くことから、穢れのないことを表し、穴が多く空いていることから、見通しの良い一年を祈る

まとめ

今年は、クワイやエビイモなど、お正月にしか出回らない食材も取り入れ、彩りだけではなく、
食感や味付けの違いなどのバランスを意識しながら作りました。
あまり形式にとらわれず、自由に、思いを込めながら作るのが一番大切です。

後藤加寿子のおせち料理

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